【ayr part1】エアーでの裏ホームステイ体験談【bowen part4】


記事執筆者 :  平山慎太郎
前回記事はコチラ 「【AYR】エアーでの体験談【オーストラリア】【ボーエン体験談part3】」

tom

▲写真:オージー宅のトム君と。ゲームばっかりすると頭おかしくなるぞ。オレみたいにwww

断る口実は私にはあった。例えば、次の日仕事があるとか、今日は飲みすぎたとか。

しかしながら、彼女との会話の中で、彼女は双子の姉の彼氏宅に居候をしている情報を掴んでいた為、英語の能力を上げる為に避けては通れない道であると考えた。

オーストラリア人のコミュニティーに飛び込まなければ、後々後悔することになるのではないだろうかと。私はニコールを車に乗せ途中、お酒屋にて手土産のビールを買い彼女の家まで車を走らせる。

彼女は一軒の家を指さした。「ここだ。」と。。

 

つっ!!!

 

私は動揺を隠せなかった。彼女の家は私が住んでいるシェアハウスの隣の隣のあの家だった。

私の住んでいるシェアハウスの隣の隣の家はなんというか頻繁にパトカーが止まっており、住人と思われる人物と警察が口論をしていたり柄の悪い連中が出入りしたり、叫び声が聞こえたり、物騒な感じの家だった。私はいくらオーストラリア人だと言ってもああいう連中とは関わりたくないなと考えていた。

 

彼女が指さした家はまさにその家だった。

 

戸惑いは確かにあったが家が目の前にある為、断るわけにもいかず決して広くはない平屋の一軒家に彼女と二人で入っていく。

玄関ドアを開けるとリビングになっておりとにかく人がいっぱいいた。まだ十代の少年、少女達、複数のおっさん、子供、そしてたくさんの犬達。入った途端に彼らのブルーやらグリーンやらの瞳は一斉に私を見た。何者だこいつは?と、いったどちらかというと驚いた表情であったと思う。

彼女が一通り事情を説明してくれ、私もそれに続き自己紹介を行った。こういった現地の今時な若者からは私はよく人種差別を受ける傾向にあったので、今回も彼らから恐らくそういった差別的な対応を受けるのではないかと思っていた。しかし、彼らの私に対する態度は非常に紳士的なものであった。

彼らとダイニングテーブルを囲み宴を行った、なんかこの様な今時な若者達と話を交え現地の若者達はどのようなライフスタイルを送っているのかとか私のノリとかを彼らはどう感じているのか等、本当に刺激的であった。宴も終わりに近づきさて今日は帰ろうかなと思ったとき、彼女(ニコール)は猛烈に私に対するアプローチを仕掛けてきた。

宗教的な言葉を使わせて頂くと、私はこの日、彼女を知ってしまった。私の人生史上最大の失態であった。私は逃げるように隣の隣の自宅へ戻った。数時間後には仕事に行かなくてはならない。

まともな睡眠時間を取ることなく私は早朝にメンバーを車に乗せファームへと向かう。数時間前に起きた事実が頭から離れない。少なくとも私は昨夜彼女に対し私の家は隣の隣の家だということをすでに話してしまったということ、彼女に私の電話番号を教えてしまっている為、私としては彼女からバックれる手段が現状無いということ、昨夜の失態を除けばオーストラリア人達とのコネクションを構築できたという点では英語能力を飛躍的に向上させる為に必須であること、色々なことを考えていた。

しかし職場に到着後、予想だにしない出来事に直面する。

 

情報が漏れている!!

 

我々イリゲーションメンバーは早朝ミーティングに参加しているBOSSを除き、車両点検を業務開始前に行い、車両点検が終われば車両内で待機という形であったが、私だけは自主的に車両点検後、毎朝会議の途中から英語のリスニング能力向上と広大な畑内でどのようなスケジュールで作業が行われるのかということを把握しておきたかった為に参加していた。

この日もいつもと同様にミーティングに参加した。ミーティング終了後、以前畑のビニール張りで何度か一緒に仕事をし、仕事以外でもちょっと交流のあるオージーの新入社員がにんまりしながら私に向かってこう言った。

 

新入社員 「お前ニコールと付き合ってるんでしょ??良かったね。」

オレ氏 「…….。ふぇ?」

 

3秒ほどフリーズ後、私は頭を抱えながら膝から崩れ落ちた。同じ職場のオージー従業員が昨夜、私に起きた事実をすでに知っている。何かが起きている。

まず、私は一度立ち上がりなぜあなたがこの事実を知っているのですかと話しかけた。彼女は彼の友達であるそうだ。そして昨夜、たまたまPUB周辺を通りかかったところ、私と彼女がいちゃいちゃしているのを目撃したとのことだ。

早朝まだ少し肌寒い時刻からまだ仕事も始まっていないのに額から大量の汗が噴き出た。サラリーマン時代に大きなミスを犯したときの感覚に非常に似ている。しかし、私はビジネスでの修羅場は何度も裏工作によって解決してきた。今回は今までの修羅場と比べればゆるい。

オレ 「そうだったんだ?見られちゃったか。てへぺろ!
彼女とはたまたまバーで知り合ったんだけど。なんていうかすごく積極的だったんでシカとするのも失礼かなと思って、ほらっオーストラリアってブリティッシュカルチャーでしょ?ちょっと飲んで足が無いっていうんで、家まで送ってあげただけなんだよ。彼女は僕に溺愛しているようだけど別に男女感の関係も無いしwww仮に彼女が私と男女関係の中にあると君に主張してきたら、つまりあれだ、彼女には虚言癖があるということ。俺の言っている意味がわかるだろ?はは。」

新入社員 「だよな。あいつそういうところあるからな笑」

その後、一日の仕事を終え、帰宅する。一緒にシェアハウスに住んでいるカプシカムのピッキングのメンバーは仕事が早く終わったらしく既に帰宅していたスーパーバイザーもいた。そしてスーパーバイザーが私に話しかけてきた。

SV 「なんかさっきニコールって女の人が来て、慎太郎はどこか?とか彼はすごくキュートで、ほんとラブリー!!とか訳の分からないこと言って帰って行ったよ。お前彼女と何かあったのか?なんか歯も無いし危なそうだから気をつけろよ。」

 

やばいっ!!彼女が家に来てた!!

 

低スペックな脳をフル回転させ言い訳を考える。頭皮から汗が噴き出る。

私は冷静を装い。

オレ 「へ??彼女そんなこと言ってたんですか?はは。参ったなぁ。彼女あれなんでね。忠告ありがとう。気を付けるよ苦笑。ちょっと近くのスーパーに買い出しに行ってくるよ。」

私は泥だらけのまま、隣の隣の彼女の家へダッシュで向かう。玄関で居合わせた家主のフォックスに彼女はいるかと私は血眼で確認していたと思う。彼女は犬の散歩に出ているとのこと。私には待っている時間など無い。一刻も早く彼女を探し出さなくては彼女と私の関係が明るみになれば私がボーエンで築き上げたものが失われる。

彼女はいた。メインストリートで犬の散歩をしていた。裸足でうつろな瞳で彷徨っている風だ。彼女は私の存在に気付くと途端に目に生気が溢れ必死に駆け寄ってくる。

私を抱きしめようとしてきたところを軽快にかわし、「なぜ、家に来たんだ?」と尋ねた。

彼女 「家に行っちゃダメなの?昨日あったことはまさか忘れていないよね?私とあなたの関係があなたの友達に知れて何か問題があるの?」

ごもっともな意見だ。普通なら返答に詰まる内容ではあるが私は仕事中必死で言い訳を考えていた。言い訳のプロである元日本の営業マン舐めるなよ。

オレ 「君の言いたいことは。十分理解している。ただ、僕は君のことが心底好きだ。だから僕と君の関係が一夜で出来上がったということを同僚に知られたくないんだ。我々アジア人は付き合うに至った過程を非常に重んじる。ちょっと堅苦しいと思うかもしれないけど。我々の文化も理解して貰いたい。昨日起きたことは忘れてもう一度、親しい友人として一からスタートして貰えないかい。僕はもう30近いし真剣な恋愛をしたいんだ。」

効果は抜群だった。日本人=真面目というイメージは世界に浸透しているので今回はそれを利用させて頂いた。

彼女は笑顔で私に感謝した。ここで安心といきたいところではあるが私には彼女が私に接近してきている何か企みがあるということを知っていた。というのは昨夜、一緒に飲んだ女の子の一人が私に対し「彼女には何か企みがあってあなたに接近しているに違いない。私は彼女と仲良くしている振りをしているけど。私も彼女を全く信用していない。気をつけなさい。」と真顔で言われたからだ。彼女はまだ、まだ、実際少女なのに占い師のようなすべてを見据えた目、しっかりとした口調、言われたすべてに説得力があった。

私のニコールに行った言い訳は一度スタートラインに戻したもののこれからの進展に含みを持たせる一時しのぎ的なものである為、私は公言してしまった以上、彼女の家に毎日訪れなくてはならなくなった。

ワーホリでオーストラリアに来ている日本人の方(特に男子)がやらないような生活。裏ホームステイ生活だ。

 

 

裏ホームステイ生活が私の英語のリスニング、スピーキング能力を飛躍的に向上させた。これは間違いのない事実。

pj写真:裏ホームステイ先のPJ君と。

私は約一か月もの間、毎日彼らの家に通い続けた。オーストラリア生活の中で一番楽しい時期だった。大勢のオーストラリア人の中で毎日酒を酌み交わせながらお話したり、ちょっとムフフな経験をしたり、私が彼らから客人としてではなくいつからか仲間という関係になりつつあった。

毎日オージーと何時間も話してしている訳なので、英会話のスキルも飛躍的に向上していった。これは自己評価だけではなく一緒にシェアハウスに住んでいる日本人や韓国人の同僚が私の英語能力の変化に驚いていたことからも実感できた。

英会話能力の向上はとりわけネイティブスピーカーと会話する時間に比例し劇的に向上する。

当然ネイティブスピーカーの英語レベルはドイツ人よりもイタリア人よりもフランス人よりも高い訳であり、ネイティブと話すことで頭の中で何とか彼らの水準まで英語能力を持っていかなくてはという効力が働くのでネイティブスピーカー意外の方と話すより、そのレベルまで持っていかなくてはという牽引力が変わってくる。

 

 

◇ボーエンを離れるきっかけになった直接的な事件

wanko写真:シェアハウスで飼っていた子犬のkara chang。怖い思いさせてごめん。

私は職場がハイレベルな英語環境でなくてもシェアハウスがアジア人しかいなくても対して気にならなくなっていた。それは毎日仕事を終えればオージー宅でイケイケの若者達と英語を話す環境にあったからだ。私はこのオージー宅に入り浸るきっかけとなっていたニコールを完全に避け今時の若者達とできるだけ時間を共有することに努めていた。

しかし、とうとう彼女から私に対する嫌がらせが始まる。

その日はいつもよりも裏ホームステイを早めに切り上げ久しぶりに、シェアハウスの仲間達と食卓を囲っていた。彼らは私と違いすごくまじめで規則正しい生活をしみんなで協力し合い、優しく、しっかりしていて、ここがオーストラリアでなければもっと仲良くなれたのかななんて感じつつその久々な穏やか時間を楽しんでいた。その時、シェアハウスで飼っていた子犬が突然外に飛び出して必死に何かに対して吠えている。

まぁこの子犬は敷地の前に通行人が通ると必ずといって良いほど吠えに行っていたので、特に気にしていなかったのだが今回はやたら吠えている時間が長い。飼い主であるスーパーバイザーも「おいっ!戻ってこい。」といっても一向に吠え続けている。耳を澄ますと「ワン ワン ワン。」という犬吠えの中に

 

「meow.meow.meow.shintaro.meow.taro」

と聞こえた確実に。

 

同僚達はまだその音には気づいていない。私は「ちょっと外の様子を見てくるよ。」と言ってダイニングルームを飛び出す、子犬が吠えている庭先に出ると子犬が庭の柵越しにいる何かに必死で吠えている。時刻は夜の9時ぐらい。私はある程度、想像はできていたが、暗闇の中の柵越しにいる何かに注視する。シルエットが浮かび上がる。

ニコールが恐ろしい形相でこっちを睨んでいる。ホラー映画さながらの光景だった。

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

子犬を家に帰し、柵越しに彼女と話をする。

「私は何でこんなにあなたを愛しているのに、あなたは私を避けるのか、お願いだから私にかまって。」

「避けているつもりはないけど、こういったことをされたら君に対して今後どう接して良いか分からない。さっきまで普通に話してたのに何で急にこんなことするの?」

こんなやり取りを数分した後、彼女は暗闇の中に消えていった。 彼女は私が制御できるタイプの女性ではない。また関係を迫られるであろう。早急にこの町を去らなければならない。早急に。

私はその2日後ボーエンを後にした。

 

平山 慎太郎

 

 

 

 


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